2010年5月21日金曜日

続き

ちょっと間があいてしまいました。

前回まで各県ごとの大学病院中心の各県ごとの医療の成り立ちについてかきました。今回はその崩壊について。

端的には各医局が十分な医師を確保できなくなってきたことが原因です。前回にもかいたように医学部生は大学を卒業するとごく少数の例外を除いて普通に医局に入局、ある程度したら開業したり大学に残ったりなどなどというのが普通の進路でした。

しかしながら最近では大学を卒業して大学に残らずに他の病院に就職してしまう学生が増えてしまっています。一旦、大学から出てその後戻ってくるケースもありますが、出てしまうとなかなか戻ってこないのが実情です。

なぜ、大学に残らなくなったのか?原因は多く考えられますが、大学の超専門的な「せまくふかく」の医療に魅力を感じない学生が多くなったこと。(彼らは救急をはじめとする「ひろくあさく」なんでもある程度みれる医師に憧れています。)大学の薄給、拘束の強さを不快に感じているのかもしれません。大学に属するメリットの一つである学位に興味のない医師が増えたのも一つの理由でしょう。

このような大学離れの現状は、民間病院が魅力的な条件(収入、研修内容など多岐にわたります)を出して医師を大学病院からの派遣に頼らず集めて行こうといった流れ、そして初期研修医制度(後日述べる予定です)も始まったことでさらに悪化していきました。

その結果、地方に十分な医師を派遣できなくなり大学病院の引き上げが起こっています。その影響をまともに受けているのはいうまでもなく地方、特に僻地の人たちです。

医療を受ける人一人ひとりがこの大きな問題を身近な意識でとらえる必要があります。

0 件のコメント:

コメントを投稿